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2002年1月29日

厳冬の琴ヶ浜にて

 

 琴ヶ浜は、高山(左)城上山(右)を背後に国道9号から琴ヶ浜に入る。

国道から数百メートル進むと、山陰本線の通る下の小さな隧道を抜ける。

隧道に入るとその先に青々とした琴ヶ浜が目に飛び込んでくる。

隧道を抜けたすぐ左手に「琴ヶ浜郵便局」がある。

 

 冬の琴ヶ浜にはほとんど人影が見えない。そんな琴ヶ浜に足を運ぶと、自然の琴ヶ浜に接することができる。冬になると家に吹き込む砂を除けるためにフェンスが張られる。

 しかし、飛砂はそのフェンスを越え、浜に沿った道路を防いでしまいさらに遠くまで砂を運んでいる。砂浜は、ベールを剥取られ、無残な姿を現してくる。埋もれた塵芥で砂は動かなくなり、それ以上、もう飛砂は起こらない。塵芥がなければ、飛砂はもっと続くと思われ、そうなると、砂浜は更に低くなり、荒れ狂う波はもっと防波堤の方へ押し寄せ、その荒波は砂を洗ってくれるであろう思う。この塵芥に懸念を感じている地元の人も沢山いる。対策を講じることが必須である。

 

 そんな砂浜を歩いてみると、あちこちに素晴らしい、自然の作った砂の芸術作品を観ることができる。人が歩いていないだけに、そのようなところにたくさん出会うことができて楽しいものである。落ちている電球、流れ着いた片方の靴、犬の散歩や小鳥の足跡、、、どれもが奇麗に見えて来る。

 

2002年1月29日
厳冬琴ヶ浜

左上:馬路琴ヶ浜郵便局
左 :吹上げる砂
左下:フェンスを越えた砂
下 :道路を塞いだ砂
上 :郵便局横にある鳴り砂案内掲示
右上:JR馬路を通過する特急
右 :吹飛んでしまった浜、塵芥、、
右下:フェンス側に吹き寄せられた砂


芸術鑑賞会場琴ヶ-1-


 

芸術鑑賞会場琴ヶ浜-2-


 春になると、フェンスの近くの山積みになった砂は、ブルトーザーで海の方へ押し出され、平らにならされる。あの塵芥は砂の下に埋もれてしまっている。近い将来では腐ることはない、しかし、溶けていることは間違いない。取り除くことも大切であるが、それよりもっと大切なことは、投棄しないこと、そしてもっと重要なことはそのように廃棄してしまうようなモノを作らないこと。便利さに走ってしまう現代の考え方は、どこか間違っていると思える。生きていく中で、矛盾を感じてしまうものである。
 

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