2004.10.23,24と快晴の仁摩となった.24日は仁摩町教育委員会主催の高山健康登山である.高山は琴ヶ浜の背後,東側に位置する499mの仁摩町で一番高い山である.琴ヶ浜の鳴り砂を調査しているといつも眺めることが出来,もう一つの山,城上山とフタコブラクダのこぶのように並んでいる.いつかはこの山から琴ヶ浜を見てみたいものだと思っていたが,やっと今回の登山で実行できた.今年で24回になるという歴史ある登山であった.カメラやナイフ防寒服,非常食などを準備.山頂では豚汁が振る舞われるということで簡単な弁当を持っていくことになっていた.私はポプラでおにぎり弁当を買って,少々重たくなったリュックを背負って自転車で出かけた.天河内の坂を登るときの自転車の風の切るヒンヤリとした風は青空の元気持ち良かった.ススキはもう少し後が奇麗であろう.少し息が切れ10分程度で,9号線横の駐車場に着いた.もう70,80人の人が来ていた.受付をすると健ちゃんも来ていた.彼は車で来ていた.
開会の挨拶と準備体操をして,9時半ころに出発.小学生から70くらいのお年より,思い思いのリュックを背負って歩く.9号線を横切り,すぐに坂道になり,身体は熱くなってきた.風景を撮りながらそしてGPSを記録しながら歩いていると,どうしても最後のグループになってしまう.要所要所で記録したが,すぐに GPSの電池が切れてしまった.たしか先日琴ヶ浜に行ったとき入れ替えたのに,もう切れてしまった.少々残念だった.最後のグループには,救急医薬品を持った看護士さん歩いていた.その方はメゾンに住んでおられたという.私のことは知ったあったが私は知らなく失礼した.路肩の草花や景色を撮った.高山キャンプ場のところまでは,何度か行ったことがあるので,そこまでの景色はほとんど撮らなかった.センブリの花やもう終わりかけた萩の花などが奇麗であった.紫の小さな花が丁度咲き乱れていた.
話しをしながら歩いていると,新しい知識が増えてくる.「高山の高さは?」「499m」これは私は知っていた.「三瓶山は?イイフロハイロウ.1260m」と教えてもらった.健ちゃんは感心してた.横を歩いていた60くらいの奥さんに「良いこと知りましたね」「はい,でも,こっちの耳からぬけてしまうわ〜〜」
キャンプ場入口にはお茶が用意されていたが,ほとんどの人はもう先の方へ歩いてほとんど人気は無かった.ここからは普段は通行止めになっていることろで,国土交通省の管轄になってチェーンが張られているが,今日は外されていた.ここからは急に落ち葉が深くなっている.車が通らないことを教えていたし,石垣の苔も青々していた.
なかなか琴ヶ浜の展望が出来ない.どうしても道路より高く木々が延びているのである.木々の合間から時々琴ヶ浜が見えるも,どうも写真には今一つである.三瓶山が遠くに霞んでみていた.反対の西の方には浅利富士が小さく,低く見えた.100mほど先を健ちゃんは会社の人と歩いていた.「志波さん,ここからよくみえますよ」デジカメと普通のカメラをリュックからだして琴ヶ浜の風景を撮っていた.道路の高さからは今一つで木々がちょっと邪魔していた.周囲を見回し,山側をみると落石防止のネットが張ってありそれを伝って登れそうであった.リュックを下ろして登ってみた.全貌は見えないが松ヶ鼻の方向が奇麗に見えた.遠くには舟が点々と朝日を浴びて白く光っていた.始めての琴ヶ浜の展望である.もっと頂上へ行けば言い展望があるかも知れないと思い数枚の写真を撮って降りた.しかし,もうこれ以上の良い展望は全く無かった.
写真を撮っては走って皆に追付いた.その度に汗がにじんでいた.下からみていた電波塔が間近に見えてきて頂上に近いことを知る.信州の登山の時はそんな場合はホットしたものであるが,今日は近いということもありまた良い展望が無かったということでちょっと物足りなかった.もう少しというところで,もう今後の予定が話されている声が,マイクを通して聞こえてきた.頂上に着くともう,長いゴザが敷いてあり大半の人はそれに座して弁当の用意をしていた.あれ?と思った.頂上は車の回転もできないほどのスペースで,皆,道路脇に座っている.11時,1時間半の登山である.
全く展望ができず,電波塔の周囲を注意しながら歩いてみたがやっぱりダメであった.直ぐに昼食,運んできた車に積んである器から次々と豚汁が配られた.皆,思い思いのところに座しておにぎり等で昼食を摂った.ビールを持ってきている人,酎ハイを持ってきている人,,,.ぽかぽか陽気の無風.最高の行楽日和である.草むらに混じってにはたくさんのセンブリの花が咲いていた.
教育長と並んで三瓶山を展望しながら豚汁の昼食を摂った.「クロモジがたくさん植わっていましたね.登山する人はこの枝を加えて歩くそうです.良い香りがするんですよ」「そうですか,どんなきですか?爪楊枝にするんですよね.」「降りるときにお教えしますよ.向こうを回ったところから展望が良いですよ」と教えてもらった.「36年ころこどもと着た時には,360度の展望ができて素晴らしかったんですがね,木が大きくなってダメになりました.」「少し広くすれば良いのでしょうがね」と木を切ってもらいたいと思った.「頂上で切ってしまうと,土砂崩れを起こしやすくなるんですよ.一度崩れだしたら,もうおしまいですからね」そうかそんなこともあるんだと,教えてもらった.「柿食べれませんか.梨もどうぞ」先生の弁当箱に詰められていた柿を頂いた.「庭になっている柿ですか」「いいえ,今年は台風で全部落ちてしまいましてね〜」「そうですね,仁摩健康公園にある柿も,1本も実がなっていないんですよね.台風の影響ですか」
しばらくして,ビンゴゲーム.始めてやったが,なかなか並ばないものである.ついに景品は無くなった.それが終わると記念撮影.撮影が終わると,ここで解散である.
先生と一緒に下る.「志波さん,行きましょう.これがクロモジです」と枝を折って教えて下さった.先生は小枝を折って口にくわえて,小さく噛まれた.私もやってみた.薄荷のような味がした.「山に入る人はこうするんですよ」山男が何のためにそうするのか,不思議であった.こちらより少し高い峰の方へ道路が通じ,もう一つ電波塔があった.その方向へ歩いていくと,浅利富士や海岸が遠くに見えていた.先生は双眼鏡を持ってきておられ,遠くの景色を見せて下さった.大田市や仁摩町などが近くに見えよく分かった.
下ることにした.薮は雑木である.「この当たりの数本の木を切れば展望が良いのですがね」「地主がいるから,地主さんに許可をもらわないと〜」「冬に来たら落葉でもう少し見えるかも知れませんね.個人でも歩いては入れるんですかね」下に張ってあるチェーンを跨げば入れるのだが,どうなのかと思って聴いてみた.「入れますよ」自転車でそこまで来にしても大変であるが,馬路から1時間程でこれるのでがんばればできることである.「一人で歩けば遠く感じるでしょうね」
「これが,ウツギというものです.中が空洞になっているんですよ.”空木”と書きます」折った木を見せて下さった.「そうですね」わたしは腰に付けていたナイフをとりだして少し大きな枝を切ってみた.「すごいですね.これ何かに使えませんかね?」50cmくらいのまっすぐな木を切った.全部空洞なのかと思い,一方から口にくわえて吹いてみた.あれ?いくら強く吹いても空気は通らなかった.逆からもダメであった.「先生,これ貫通していないんですね」「そうですか」よくみると,竹のように節があった.そのところをナイフで切ってみると,まさしく竹のように節になっていた.これでは通らない.「筒だけだったら弱いですよね.自然はよくできていますね」
どんどん下っていった.「どうしても追付かないですね」ちょっと寄り道するとあっという間に開いてしまいますね.「兵隊の時,小便1町,糞8町と言いましたよ.小便していると100m,大便していると800m置いていかれるというわけです」なるほどその通りである.私もちょっと花の写真を撮っていると一気に置いていかれた.私が最後である.追付くには急ぎ足というか小走り,キャラバンシューズのつま先が痛くなってきた.
道路わきの草が結構ひっくり返されていた.それを見たとき,先の人がドングリでも拾いながら草を抜いたのだと思っていた.「ほー,イノシシがでているわ」どうして分かるのだろうかと一瞬思った.「どうしてですか」と聴くと「これはイノシシが歩いた跡ですよ」とその乱れた草を観て教えて下さった.「これはまだ今朝歩いたのでしょう」と,土や草の状態を見て判断されていた.脇の乱れた道路はズッと続いていた.駐車場に着いたときには,ほとんど車は無かった.
自転車で帰ろうかとしたとき,高山開館から会社の人と健ちゃんが出てきた.「お疲れさまでした」私は琴ヶ浜に寄った.すると健ちゃんも後からやって来た.「あそこまで登ったんですね」後ろを振り返って今降りてきた山を見ながらそういった.私は浜からの写真を撮った.浜には5,6人の若いカップルが砂,海と戯れていた.海や山にドライブするのが好きだった息子を思い出した〜.
直ぐに別れて天河内の坂を下った.ゆっくりとしたお風呂に入り疲れをとった.
高山会館駐車場に集合 駐車場から見る高山 さ〜,出発 センブリ シイの実拾い 杉林の木漏れ日 高山キャンプ場入口の休憩所 宅野町の韓島 何という実? 雑木林からみ見える琴ヶ浜 遠くに霞む三瓶山 山頂の電波塔 豚汁 山頂での昼食 事務局の車で配膳 ビンゴゲーム 眼下の城上山 なんという花?
終わりかけている萩の花 空木の切断面 クロモジ(涸れかけている) 茜/ウナギツカミ/ミゾソバ
琴ヶ浜 琴ヶ浜からの高山(左)城上山(右) 琴ヶ浜
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