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ルーペを透して観る楽しい大須賀海岸の鳴り砂
平成13年12月18日、NHK青森八戸放送局から大須賀海岸(青森県)の鳴り砂についての問い合わせが入ってきた。
「20〜30年前の大須賀海岸はどこでも鳴いていたと聞いていますが、最近はほとんど鳴いていない。冬もここはそんなに雪は降らないし、鳴り砂は冬の方が良く鳴ると聞いているんですが、そうでもありません。どうしてでしょうか」
「今日の目的はなんですか」
「はい、いま八戸新幹線の話しが持ち上がっていて、ここ八戸の冬の風物詩として、大須賀の鳴り砂を紹介しようと言うわけで、調査しているんです」
「わかりました」
青森県の鳴り砂
1)尻労(しっかり) 2)猿ヶ森 3)小野田沢 4)出戸 5)大須賀
の、5ヶ所である。
仁摩サンドミュージアムには、世界各地に砂、鳴り砂が展示されている。質問の大須賀の砂もイカビンに保存されていた。その砂は、今までに言われている鳴り砂の姿から大きくかけ離れた色、粒度(粒の大きさ)をしていた。わたしもそのサンプル瓶を簡単にチェックして、鳴り砂ではないと判断していた。
「そちらに大須賀の砂が展示されているとお聞きしたのですが、在るのでしょうか。いつごろの砂ですか?」
わたしは、その砂が在ることは忘れ、在るとは思っていなかった。
「わかりました、チェックしてみます。」
14年前の音陳列棚に行ってみてみると、レベルと瓶のラベルが違っていた。”あれ、ない”それでも陳列棚を一つ一つ調べてみると、間違って並べられていた。いっぱいに入った大須賀の砂が出てきた。やはり、それは鳴り砂とは思えないほどの砂であった。しかし、そでもと、自宅に帰って鳴り砂の検査をした。ちゃんと鳴いた。
30分程してNHKから自宅に電話が入った。そして電話口でその音を鳴らして、立派な鳴り砂であることを知らせた。 NHKのカメラマンは喜んでいた。
サンプルの入ったイカ瓶には黄色くなったラベルに、『1983.9.19,山下信雄』と記録されていた。宮城県女川の鳴り砂研究家である。もうお亡くなりになったと聞いている。お会いできなくて残念である。
楽しい砂デジカメで砂を観た。きれいな光沢の在る砂である。いろいろな形の砂、赤や茶色、緑、白、透明な砂、四角錐の透明な砂そして磨き抜かれた貝殻、、、観ていて楽しくなった。今までにもない、観てて楽しいである。
琴ヶ浜の砂もきれいなのであるが、琴ヶ浜の砂は変化がなかった。粒の大きさもそろっているし、成分もほとんどが透明な砂そして黄色みがかった砂が大半であり、均一な砂である。
1983.9.19、山下信雄氏、大須賀海岸の鳴り砂(1mm/目盛、左上)
大須賀海岸(1983.9.19) 鳴り砂(50ml)
琴ヶ浜(1998.10.30,木屋) 1mm/目盛
琴ヶ浜(1998.10.30,木屋) 鳴り砂(50ml)
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