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琴ヶ浜廃油ボール漂着

馬路住民総出での

人海戦術回収作業

-2002.2.16-

情報

 平成14年2月15日、昼食にうちへ帰っている途中で、車の中から「志波さん、油が寄せてるで」と、声を掛けてくださった。「ハイ!どうも」と返事をしたものの、すぐには、琴ヶ浜に廃油が流れ着いてきているとはわからなかったが、歩いているうちに、情報をくださったのが馬路の人であるということから、廃油が流れ着いているのだと感づいた。

調査

 昼食をとってから、琴ヶ浜に急いで行ってみた。波打ち際から、4,5m程の砂浜に一列に廃油ボウルが点在していた。すべての浜を歩いてみたが、残念ながら全体に散らばっていた。数ヶ所から持ってきていたビニール袋に入れた。日中の暖かさで、油はドロッとしていて、棒で入れるには素早く入れないとたれてしまう状態であった。靴を見ると、底にべったりとオイルが付着していた。

 対策がなされているのであろうかと、心配しながら知り合いの方に連絡しようと戻っているときに、向こうから二人の男性が近づいてきた。新聞記者であった。わたしが琴ヶ浜に行ったということを聴いてやって来たそうである。新任の挨拶というのが目的であった。新聞記者らしい質問をしてきた。「対策はどうなさるんですか。廃油の分析はなさるんですか、、、鳴り砂は大丈夫ですか、、、」「分析はしません、、、分析費用はでませんし。きっと、船のエンジンオイルの不法投棄でしょう。臭いからして、明らかに機械油ですね」「回収作業はされるんですか?」「その相談にいってきますよ。きっと明日にはされると思いますよ」

 二人の新聞記者達も靴の底のオイルを除くのに苦労していた。

対策

 郵便局の交差点に来たとき、議員さんに出会った。「志波さん、大変なことになりましたわ。ボールが流れ着いていて、、、。明日、8時半から回収を行いますけ、有線でながします。よろしく」「あ、ご存知でしたか。先程松浦さんから教えてもらって飛んできました。ご存知だったらよかったですわ」

16日は8時ころ琴ヶ浜に行くと、もう地元の人がたくさん出て、回収作業をされていた。その状況を、写真で示した。

 

所見

 各地でタンカーの沈没で、海が汚れている。事故であったり、故意に投棄したり、、、重油や廃油は海面を広くそして遠くまで広がっていき、海を汚してしまう。分解するにしても時間がかかり、その間に悪影響を与えてしまう。

 産業が、農業主体であった時代にはこのようなことは起こることはなかった。便利になった近代社会では、安全対策はもとより、人のモラルというものがもっとも重要なことである。すべてのことにたいして、使い終わったものはいらない、という考え方がそこら中にまん延している世の中であると思える。廃油も、今までは船を効率良く、快適に動かしていた油であったはずである。最後まできちんと処理する気持ちになってもらいたいと思う次第である。

 高度成長時代の使い捨て時代は、本当に誤った時代であったと反省し、住みよい地球になるように、これは人間がやらねばならないことであると思う。「見えなければいいや。誰も見ていなければいいや」と、すり替え悪用をする今の社会の成り立ちも似たようなものだ。また、リストラというのも、なんだか今回の廃油の不法投棄騒ぎとおなじように思える。大海の中にいると、そのようなことが見えてこない。時代に生きるということは難しいものである。

 

平成14年2月15日、廃油の漂着

平成14年2月16日、廃油回収作業風景

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